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山梨県 早川町 · 南アルプスの最奥部

奈良田温泉

お湯が、とろりと手のひらにまとわりつく。 — 入った瞬間、来てよかったと思う。

日本一人口の少ない町の奥で、1300年のお湯が待っている
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なぜ奈良田なのか

「遠い」が、
ご褒美になる場所。

地図の端っこに、名前がある。
山梨県・南巨摩郡早川町。日本で一番、人が少ない町。
その、さらに奥。道を1時間かけて登りつめた先に、
奈良田温泉はある。

「遠い」と思って来た人ほど、
「来てよかった」と言って帰る。

pH8.6のアルカリ泉は、
化粧水をそのまま張ったような肌触り。
肌がとろけていく感覚に、
疲れたことさえ、忘れそうになる。

色が、静かに変わっていく。
透明が、緑になり、白になる。
説明はできる。でも目の前で見ると、
やっぱり驚く。

奈良田温泉 白根館
泉質・特徴

全国が認めた、
「奇跡のアルカリ泉」

「入る化粧水」と呼ばれる

pH8.6のアルカリ性が、肌の古い角質をやさしく溶かす。するりとなめらかになった肌は、翌朝の鏡で証明される。「何これ」と声に出た人は、もれなく何度も来ている。

ひと手間も加えていない

地下212メートルから、そのまま来ている。加水なし、加温なし、循環なし。1978年に掘り当てたそのままの湯が、今日もあなたを待っている。これを「源泉かけ流し」という。

秘境で、ずっと本物だった

2016年、温泉総選挙「うる肌部門」全国3位。誰かに発見されて有名になったのではない。知る人ぞ知る時代から、ここは変わらず本物だった。

1300年、人が来る理由がある

神経痛、リウマチ、冷え性、疲労回復——。奈良時代の女帝も、現代の登山家も、ここで同じお湯につかってきた。体が求めているものを、この湯は知っている。

大人700円の非日常

木の香りと湯気が交ざる、ヒノキの浴室。日帰り入浴は大人700円。白根館は平日10:30〜16:00、土日祝10:30〜17:00。2024年4月からは「一般社団法人秘境わくわくエンジン」が運営を引き継ぎ、月・水曜の限定宿泊も復活した。

目の前で、色が変わる

白根館の源泉「七不思議の湯」は、透明→エメラルドグリーン→白濁と変化する。同じ色に二度と会えない。温泉に、一期一会があるとは思っていなかった。

七不思議の湯

今日のお湯は、
何色だろう。

目の前で、湯が変わる。

1997年に湧き出したこの源泉は、「七不思議の湯」と名付けられた。
透き通った無色が、エメラルドグリーンに変わり、やがて乳白色の白へと移ろう。
手を浸けながら思う——この湯と同じ色は、今日しかない、と。

説明はできる。でも、目の当たりにすると、やっぱり驚く。
奈良田に来て初めて、「不思議」という言葉の重さを知る。

透明 エメラルドグリーン 白濁
奈良田湖(西山ダム)
1300年の歴史

女帝が、
8年間ここを離れなかった。

1300年前の話だ。孝謙天皇は、奈良の都から遠く離れたこの山奥に行幸し、この湯につかり続けた。「奈良の都は七条なるが、この地は七段。ここも真に奈良である」——地名の由来は、女帝の言葉から生まれた。

その集落は、1953年、ダムの底に沈んだ。しかし1978年、地下212メートルから、湯が再び湧き出した。奇跡ではない。でも、そう呼びたくなる。

天平年間
729〜749

孝謙天皇、8年間ここに滞在

奈良時代の女帝が「この地こそ真の奈良」と称えた。以来この湯は「女帝の湯」と呼ばれ続ける。

1953年

村が、湖の底に沈む

西山ダム完成により奈良田集落が水没。しかし住民は独自の文化・方言・民謡を守り、新天地へ移り住んだ。

1978年

地下212mから、目覚める

深さ212メートルで新たな温泉が湧出。1300年の眠りから覚めた湯は翌1979年、「女帝の湯」として再び人々のもとへ。

1997年

「七不思議の湯」誕生

白根館の新源泉が湧出。色が変わる神秘の湯は「七不思議」と名付けられ、全国から湯客を引き寄せるようになった。

2016年

温泉総選挙「うる肌部門」全国3位

秘境の湯が、ついに全国に知られた。それでも奈良田は変わらない。山の奥で、ひとりで本物であり続けている。

奈良田温泉 白根館 / 女帝の湯

運営:一般社団法人 秘境わくわくエンジン(2024年4月1日〜)

白根館 平日
10:30〜16:00
白根館 土日祝
10:30〜17:00
日帰り 大人
700 円
宿泊(月・水)
8,950 円〜
周辺観光

奈良田だけじゃない。
南アルプス全部、本物だ。

白峰三山・南アルプス

白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)

下山した夜、温泉に浸かる。北岳(3,193m)・間ノ岳・農鳥岳の縦走を終え、奈良田に帰ってくる。その達成感と、美肌の湯の温かさが交ざったとき、「この計画は完璧だった」と思う。

広河原まで約30分(バス)
奈良田湖(西山ダム)

奈良田湖(西山ダム)

南アルプスに抱かれたダム湖。周囲の山々が静かな湖面に映り込む。秋の紅葉シーズンは特に美しく、温泉から歩いてすぐのところにもう一つの絶景がある。

温泉から徒歩すぐ
早川渓谷・清流

早川渓谷

清流の音が、先に聞こえてくる。南アルプスから流れ出る早川は、岩壁と森を縫うように流れる。春の新緑、夏の清流、秋の紅葉、冬の氷瀑——四季すべてが、ここでは一級品だ。

温泉周辺一帯
南アルプス山岳写真館・山の眺望

南アルプス山岳写真館(白籏史朗記念館)

写真で見て、実物に会いに来る人がいる。世界的山岳写真家・白籏史朗氏の傑作が並ぶ写真館。登山前の心の準備にも、雨の日の過ごし方にもなる、奈良田の里の文化拠点。

奈良田の里内
奈良田民俗資料館・日本の伝統建築

奈良田民俗資料館

ダムの底に沈む前の集落を、ここで知る。焼畑農耕の道具、独自の言葉、民謡の記録。「日本のチベット」と呼ばれた秘境の村が、何を守り、何を語り継いできたか。温泉の湯気より古い、記憶がある。

奈良田の里内
高山植物・キタダケソウ

キタダケソウと高山植物

日本に、ここにしかない花がある。北岳にのみ自生する固有種・キタダケソウ。ユネスコエコパークに指定された山が守る希少な植物群落は、夏の稜線を彩り、世界が注目する生命の宝庫だ。

北岳登山ルート沿い
名物・グルメ

山の恵みを、
体いっぱいに食べる。

ほうとう・日本の鍋料理

ほうとう

体が冷えていたことに、食べてはじめて気づく。太くもちもちした平打ち麺が、かぼちゃと根菜の甘みを吸って、濃い味噌と絡み合う。温泉の後のほうとうは、山梨の魂だ。

わらびそば・そば料理

わらびそば

春の山が、器の中に入っている。奈良田周辺で採れたわらびを使い、南アルプスの清流で打った麺と合わせる。この一杯は、地元でしか、この季節にしか、食べられない。

ジビエ料理・肉料理

ジビエ料理

山の深さを、そのまま食べる。地元猟師が仕留めたツキノワグマ、イノシシ、ニホンジカ。秘境の宿だからこそ出会える料理が、南アルプスの食卓にある。都市では絶対に体験できない。

南アルプスの名水・清流の滝

南アルプスの名水

同じ料理が、ここでは違う味になる。南アルプスの岩盤が何十年もかけて濾過した極上の軟水で、そばも、日本酒も、お茶も変わる。「水が違う」と気づいたとき、秘境の深さが分かる。

山菜・野草・きのこ

山菜・きのこ

春には山が、秋には森が、器に入ってくる。ふきのとう、タラの芽、わらびが春を告げ、マイタケ、ナメコが秋を彩る。旬が分かる地で、旬を食べる。それだけで、旅の値打ちがある。

甲州フルーツ・桃の収穫

甲州フルーツ

山梨の果物は、なぜこんなに甘いのか。桃、ぶどう(甲州)、スモモ——フルーツ王国の恵み。温泉帰りに直売所に寄れば、採れたての旬を手に入れられる。それが最後の正解だ。

アクセス

たどり着くことが、
旅のはじまりだ。

お車でお越しの場合

  • 中部横断自動車道「下部温泉早川IC」より県道37号を北上
  • ICから約1時間(距離約38km)
  • 甲府市内から約2時間、東京から約3〜3.5時間
  • 冬期は積雪・凍結あり(スタッドレス必携)

山岳地帯の細道が続きます。余裕ある計画で。

公共交通機関の場合

  • JR特急「ふじかわ」→ 身延駅または下部温泉駅下車
  • 早川町乗合バス「奈良田行き」に乗車
  • 終点「奈良田温泉」バス停下車(約90分)
  • 甲府駅発のバスも運行あり

バスの本数は少なめ。事前に時刻表を必ず確認を。

登山との黄金ルート

  • 白峰三山縦走(広河原スタート → 奈良田ゴール)の締めに最適
  • 広河原線バス:大人1,300円+環境協力金300円(2026年6月26日〜11月3日)
  • 登山シーズン(7〜10月)は臨時バスも運行
  • 山を下りたらすぐ、美肌の湯が待っている

施設・連絡先

  • 住所:山梨県南巨摩郡早川町奈良田
  • 白根館 平日:10:30〜16:00 / 土日祝:10:30〜17:00
  • 宿泊:月・水曜限定 素泊まり8,950円(要予約・2026年4月29日〜)
  • 運営:一般社団法人 秘境わくわくエンジン
  • 問合:早川町役場 0556-45-2516

さあ、最果ての湯へ。

遠いから、価値がある。
たどり着くから、感動がある。
日本一人が少ない町の奥で、
1300年のお湯が、あなたを待っている。

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